野菜が安全かどうかを判断する基本的な知識のおさらいです。それを食べてよいかどうかは、ご自分で判断してください。
F1と固定種
スーパーで売っている野菜は殆どこれ。F1とは一代雑種のことで、形質が均一で病気に強い品種や多収の品種を目指して、人工交配して作られた品種。単なる雑種の1代目なので、これ自体は自然環境にもよく起こること。F1=健康に悪と言うのは普通に考えてありえない。つまり、問題点は種取りしても同じものができないため、高価で種子の費用がかさむことと、地域に根ざした伝統品種が絶滅に追いやられること、「病気や害虫に強い」「多収」「生育が早い」ことなどの栽培側に都合の良い形質を持たせるために、風味がなかったり固かったり不味かったりする。種取り自体はできるためF1からの固定種と言うのも存在する。参考(1)
F1の雄性不稔
ミトコンドリア遺伝子異常などで、雄しべが退化しており、花粉が出ないこと。この品種だけ育てても種取り自体が出来ないし、種取りするには他の品種との交配が必要。問題点は同じ遺伝子を引き継ぐため、特定病気に弱い品種ばかりになってしまうことがある模様。また自然界でも極稀に存在するが、極稀のはずの雄性不稔の品種ばかり食べていたら、どうなることやら。参考(1 2 3)
遺伝子組み換え(GMO)
人工的に遺伝子を改変した種。動物の遺伝子を植物に埋め込むこともできる。表示義務があるが、日本には大量に輸入されている。なぜならば、動物の飼料に使用したり、加工品の中でも使用量が少ない原材料の場合や、タンパク質が残らないものには表示義務が無いため、実にひっそりと大量に使用されている。日本で流通しているのはダイズ、トウモロコシ、ナタネ、ワタ。植物油や穀物酢、醤油、などなど。研究により健康に問題はないとメーカーはいうが、第三者の研究では問題があるとの結果もあり、遺伝子組み換え作物とセットで使われる除草剤も問題ありとのこと。参考(1)
放射線による品種改良
遺伝子組み換えとは少し違い、種に放射線を照射して、遺伝子を傷つけることで突然変異を起こした中から選別して生み出した品種があるようです。身近にはコメ、小粒納豆、サラダごぼうなどがあるようです。品種数は主にイネの131品種、キク25、ダイズ17、オオムギ9,バラ6品種だそう。遺伝子組み換えと違い、安全であるかどうかはあまり検証されていないようです。参考(1 2 3)
有機農法・有機野菜
有機JASの認証を受けた圃場で作られる野菜を「有機野菜」「無農薬」と表示して販売することができる。化学肥料を使用せず、有機質の有機肥料で育てる。有機JASで認められた農薬は使用できる。と言っても、ほとんどが天然系の農薬ですが。ほとんどの農家が多肥で育てて農薬を使う点では、本質的には慣行農法と変わらない。
自然農・自然栽培
特に基準もなく生産者が任意で名乗ることができる。一般的には「自然栽培」では自然農薬を使っている農家がいる。無肥料が殆どだが、土壌改良に堆肥は使用する場合がある。水はけがよく、肥料などが浄化された畑では病虫害は余り発生しないそう。信頼できる生産者を選ばなくてはならない。
虫がつく野菜とおいしい野菜
「虫食いのある野菜だから美味しいに違いない」というが、虫の好きな味と人間の好きな味とは異なるもよう。無農薬でも虫がつかない野菜は、澄んだ味で後味がよく、野菜嫌いな子供でも食べてくれることが色々な方面で言われている。参考(1 2 3)
日本の野菜が不味い理由
外国から帰国した人や、日本に住む外国人から、日本の野菜は不味いという話が良く聞かれます。原因として考えられるのは、多肥で水ぶくれした野菜が多いこと、雨が多くて水っぽくなりやすいこと、栽培側の都合で品種が選定されてしまうこと(見た目が良ければ消費者が買ってくれること)と思われます。
コメントを残す